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インバスケット問題に関する一般的なご質問

どういったものが関連案件となるのですか。 回答例(スコアリングシート)を見ると、関連性があるように見えるものでも関連案件となっていないものもあります。

すべて組織活動ですので、多くの情報は何らかの形で関連しております。スコアリングシートには、その中でも「重要な関連性」があるものを関連案件として記載しております。単に情報としてのつながりが強いということだけでは、関連案件としては記載しておりません。
関連案件として記載するかどうかの判断基準としては
  ・判断に重要な影響を与えるものか。(その案件が存在することで判断が変わるものなど)
  ・一定以上の相関関係にあるものか。(一石二鳥で解決ができそうかなど)
  ・その案件を解決するにあたって有効な解決策の一つになりえるものか。
などが挙げられます。
実際の試験では、記述式であれば関係があると思われた案件はとにかく書くこと、マークシート式であれば最も関係の深い案件を選択されることをお勧めいたします。

最初の案件から順番に取りかかりましたが途中で、全体に目を通してから取りかかればよかったと思いました。 インバスケット問題集は全体に目を通してからの回答を想定して作られているものなのですか。

問題集の多くは、制限時間が少なく、全体の流れを把握する必要があります。

よく似た案件でも問題集によって優先順位が違う場合がありますがなぜですか。

優先順位とは個々の案件の特性で決定するのではなく、すべての案件と比較して順位を決定するものです。また、主人公の立場を含め、背景や環境、設定の違いでも優先順位が変わります。

同じ期日の案件で緊急度が異なったり、期日の近い案件の緊急度が高くなかったりする場合がありますがなぜですか。

緊急度は期日という要素も大きいのですが、すべてがそうというわけではありません。ほかの要素として①対外的かどうか②例外的かどうか③被害やリスクが進行しているかどうか――などもあり、それらを含めて総合的に判断いたします。

回答例には緊急度が高いほうが、優先順位が高くなっているものがありますが、緊急度よりも重要度が高いほうが優先順位は高いのではありませんか。

基本的には重要度の高い案件が、緊急度の高い案件よりも優先順位が高いと考えたほうがよいでしょう。ただし、すべてにおいてその考え方が当てはまるとは限りません。例えば対外的案件であるか、例外的な案件か、もしくは、実害・実益が発生するかなどの要素から、総合的に判断するべきです。
  当問題集付属のマトリックスは、複数の現役管理職やモニターの回答を基に作成し、優先順位設定も複数の回答を点数化し、これらの考え方で設定しております。
  なお、弊社の問題集を含め、多くの問題が上位3位から5位の案件の優先順位設定を重視しており、優先順位上位5位以下は、ほとんど評価対象としていないものが多いようです。つまり、優先順位中から低レベルの区分けは非常に困難であると同時に、あまり重要な作業ではないと考えられます。

全案件を処理するにはどのように進めたらいいですか。重要案件の回答量は抑えたほうがいいのでしょうか。

インバスケット試験は時間制約など、極度のプレッシャーを受験者に与え、その中での判断・アクションを評価する一面があります。これまで受験された方の結果を見ましても、時間内にすべて回答できた例は僅かです。全案件の処理を目指すのであれば、すべての案件に同じ時間をかけるのではなく、優先順位の低い案件は、保留できるものは「保留」として飛ばすなどして回答を簡素化し、その分を優先順位の高い重要案件の判断・アクションに回しましょう。試験によっては、優先順位の高い案件の判断・アクションは評価ウエイトが高く設定されていることもあります。

効率的に案件を処理する方法はありますか。

案件処理手順は人によって違いますが、一つの方法としては、案件を前もって分けるのではなく、最初の案件から順番に処理していき、その際に優先順位設定を同時に行う、という進め方があります。ただし、この方法は時間の短縮はできるのですが、全体の流れが分からないなどのデメリットもあります。

回答時間短縮のコツはありませんか。

時間を短縮する方法の一つとして複数の案件を一つにまとめて処理をする、といった指示の出し方も可能かと存じます。

とれるアクションは限られているように思えます。こうしますという「意思」を決定し、代替案や補足指示、情報収集などはすべて部下への指示になると思うのですが、答案への記入は「こうした意思決定を部下に伝達し、必要なアクションを促す」という形式でよいのでしょうか。

その形式で大きな問題はないでしょう。インバスケットは、回答の書き方より、受験者がどのような問題点を持ち、どのような情報から判断し、どのようなアクションをとっているかに評価のウエイトを置いていることが多いのです。なぜそのような判断をとったのか分かりにくそうな場合は、補足で「なぜならば……だから」と書けばよいでしょう。
  なお、保留した場合でも追加の資料を用意させるなど、管理者の生産性(どれだけ判断業務ができるか)という観点から見ると、何らかのアクションは入れるほうが望ましいでしょう。

誰に対してその行動(指示など)をするのか、スコアリングシートに記載していない場合があります。誰に、ということまで記入しなくてもよいのですか。

誰に対するアクションかは記入するほうが望ましいでしょう。
一方、スコアリングシートは、評価の基準として受験者がそのアクション(的確な指示など)をしているかどうかを記載しているものです。スコアリングシートに記載してある文言を、回答用紙にそのまま記入すればよいということではありません。

調査指示と情報収集指示は同意と捉えて良いですか。

どちらも、判断に必要な情報を収集する行動となりますので、同意と捉えて問題ないと存じます。ただし、「調査指示」と記載する場合は、報告を求めておく必要があります。指示が投げっぱなしにならないように留意してください。

「原因・本質把握」ができている回答表現ができずに思案しています。表面的な問題では「1.今回の原因把握のため~を調査指示」と書き、本質的な問題も掴めている場合は「2.過去の~と他の部署の~も調査し、再発防止を防ぐ」と記載していますが、よりよい記載方法はありませんか。

表記方法としてはその内容で問題ないと思われます。また、発生している問題そのものの原因究明・再発防止行動に加えて、その問題が発生する元になっている本質的な問題(例えば企業内の風土や組織体系)などに対する言及があれば、より良い回答と言えるでしょう。

用意されている資料から最低限、読み解いておかなければならないものは何でしょうか。

資料の読み込みに関しては、皆様悩まれている部分です。どのようにするとよいかを一概にはいえませんが、一つの方法として次のような方法があります。
  資料が多い問題集もあり、すべてを頭に入れることは困難な場合もあります。そのため、資料の読み込みはいたしません。ただし、どのような資料が用意されているかを重視して頭に入れます。そして、自分の判断に役立つ資料を案件処理ごとに思い出し、確認の上、判断の根拠といたします。
  ご参考にしていただければ幸いです。

案件に無関係な資料は存在するのでしょうか。背景によって一概に無関係とはいえないかもしれませんが、その可能性がある案件の見分け方などはあるのでしょうか。

あまり必要性の無い資料が含まれていることもあるようです。ただ、直接案件に関係がなくても、全体の背景を捉える上で必要な資料もありますので、どんな資料が用意されているのかだけを把握しておくとよいでしょう。また、必ず必要となる資料(組織図など)とあまり必要となることのない資料(会社概要や沿革)などがありますが、問題の中身によりますので見分け方は難しいようです。

登場人物とその所属を覚えるのが非常に苦手で把握できません。これはトレーニングで把握できるようになるのでしょうか。それとも、ある程度組織図を見ながら登場のたびに関係を確認していけばよいのでしょうか。

組織図は常に見えるところに置いておき、そのつど、確認するとよいでしょう。その上で、よく出てくる登場人物にマークをしておくと便利です。組織図をすぐ暗記できるような方はそういらっしゃらないでしょう。

スケジュールや日時が頭に入りません。

人によるかもしれませんが、カレンダーを即席で作り、そこにスケジュールをメモしていくというやり方が確実だと思われます。

間に立つ役職者を飛ばして連絡や提案などが来た場合(係長から課長を飛ばして部長に提案等)、誰に回答すべきなのでしょうか。

その案件の特性と環境により異なると思われますので一概にはいえませんが、ヒューマンスキルやコミュニケーション能力などの評価の観点からは、一般的には本人への声かけはされるべきと考えられます。また、本人に返事をすること自体がマイナス評価になるということも少ないと思われます。
ただし、実際の本人への業務の指導や指示は、直属の上司からするべきであり、案件に対しての判断・アクションの指示は通常の指揮命令系統に沿って出すのが一般的と思われます。
具体的には、本人に対しては「情報ありがとう。この件は(直属の上司)に指示を仰いでください」と伝え、直属の上司には「当案件は●●とするほうがよいと考えるので、●●の指示を出してください」というイメージでしょうか。案件によっては、上司の不正の情報などのように、通常の指揮命令系統に沿わずに行うケースもありますが、これは特殊と考えてよいでしょう。

「仕入先から値上げの連絡」という案件を目にすることがよくあるのですが、影響度が不明確な場合は優先順位をどのように設定すればよいでしょうか。「得意先」という言葉のみで語られている場合もあり、資料にも具体的な数値がないことが多いです。

背景や全体の流れによりますので一概にはいえないと思います。一般的には将来へのリスク・脅威と判断するべきと考えられます。

自分でやるべき仕事と人に頼むべき仕事の区別の付け方に、何かコツはあるのでしょうか。

まさにインバスケットでの大きな評価のポイントとなりますが、まず自分は判断を最重要の仕事と捉えるとよいのではないでしょうか。また、仕事の割り振りに関しては、その仕事はその人にしかできないことなのか、役割と能力とその業務・判断が適正なのかを考え、そのつど確認することが大事です。

スコアリングシートには評価されるアクションが複数記載されていますが、アクションの数が多いほど得点が高いと考えてよいのでしょうか。

一般的にアクションの数が多ければスコアは高くなり、マイナスになることは少ないようです。アクションは数多く記入することをお勧めします。(あまり数にこだわると時間がなくなりますのでご注意ください)
  しかし、「判断」(弊社スコアリングシート左端の項目)の複数回答はスコアが高くなる場合は少ないようです。また、問題の性質によりますが、例えば判断を「条件付き承認」とした場合にその条件を数多く付けることは評価される傾向がありますが、判断を「一任」として補足指示を数多く出すことは結果として判断と行動が矛盾していると見なされることもあります。

どの案件とどのような関連があるかを具体的に明示する必要はあるのでしょうか。

試験の回答方式などにもよりますが、関連を示す理由を書くように指示されていれば書くべきですが、単に、判断・アクションを記入する項目しかない場合は「●●に人事部と調整をさせる(案件5との関連から)」といった回答で十分かと思われます。弊社の場合は、関連の案件番号が何らかの形で書かれていればスコア評価いたします。

判断に迷ったとき、特にどこまでが裁量範囲か資料からはうかがえないときは、「ただし、会社規定の範囲内で対応願う」という表現で具体的な数値まで踏み込まないほうがよいのでしょうか。

判断に迷ったり、職務分掌が分かりにくくなったりしている場合は、おっしゃるとおり社内規定、もしくは「関係部署と調整」であいまいにするのも一つのテクニックかもしれません。ただし、その方法がスコアを上げるかどうかは確認できておりません。

記述式ではどのように記入したらよいのでしょうか。

回答の記入方法については実際の試験の指示に従えばよいですが、記入法の種類としては大きく分けて以下の2つがあります。
  ①一般文章型  実際に業務で使用するような文章で記入する方法です。
    例:「●●さんへ  ●●をしてください」
  ②箇条書き型  項目ごとに簡潔な文や単語を並べて記入する方法です。
  詳細は『インバスケット・レポート』にて解説しておりますのでご参照ください。また、問題集Fには、これまでの受験者の実際の回答例を掲載しておりますのでご参考になさってください。

箇条書きの場合、部下への叱咤激励やねぎらいなどのヒューマンスキル関連のアクションを表現するにはどのようにしたらよいですか。

箇条書きにおけるヒューマンスキルの表現について念頭に置かなければならないのは、採点者(評価者)にそれが的確に伝わるかどうかです。過去のモニターの回答からも、「●●に●●について叱咤激励する」「●●に●●について指導する」などの回答も有効と考えられます。ただ、単に「叱咤激励」「指導実施」では単語の羅列でしかないと受け取られる可能性もありますので注意が必要です。
  また、箇条書きは時間短縮にはよいのですが、適した回答方法は問題によって違いますので、それぞれの問題に合った回答方法でご記入ください。

関連が深い案件の場合は、補足指示として案件○も本件と関連が深いため考慮して検討、という表現で補足指示を記入しようと思っていますがそれでよいのでしょうか。

試験作成会社および試験実施企業により採点基準等が違いますので一概にはいえませんが、あくまでアクション数を多く記入する、また判断・アクションにヌケモレがないように回答するという観点で考えればよいでしょう。詳細は『インバスケット・レポート』にも記載しておりますが、判断+行動を基本回答パターンとして考えればよいと思われます。

「等」という言葉を使用するのはよくないのでしょうか。

試験会社により異なるので一概にお答えは出来ませんが、「等」のようなあいまい言葉はあまりお勧めできません。

何回か模擬試験を実施していますが、スピードを重視するあまり、字が汚くなっていまいます。程度にもよりますが、「字の汚さ」、「誤字」は減点対象になるのでしょうか。またアヤフヤな漢字を平仮名で書くと減点対象になるのでしょうか。

会社によりどのように評価するかは不明ですが、弊社では字のきれいさは評価に入れていません。ただし、評価者が解読できることが前提であります。 漢字をカタカナで書かれても、何をどのように考えたかが分かれば問題はありません。

インバスケットの回答記入は、口語文と文語文のどちらがふさわしいのでしょうか。

まずは、御社の試験問題中に、回答の書き方への指定や指示がないかご確認ください。指定や指示がある場合は、それに従ってください。 特に指示がない場合は、一般的なインバスケット的評価といたしましては「○○さんへ ●●をしてください」というような、口語文の回答の方がより評価されやすいと考えられています。 ただ、インバスケットにおいては、回答の表現方法よりも受験者がどのような理由からどう判断し、 どのように行動するか(またはさせるか)といった案件処理のプロセスを、評価者に明確に伝えることが重視されます。 一度の試験の中で、口語文の回答と文語文の回答が混在することは避けられた方が賢明ですが、 あまり回答表現にこだわりすぎず、案件処理において誰に何をさせるのか(またはさせないのか)を正確に見極め、判断と行動を明確に評価者にお伝えになることを優先されるようお薦めします。

着任後の報告指示で、重要案件の場合「着任日の朝一に報告」という表現を使いたいのですが、対象が複数重なれば、時間管理の問題で、逆効果にならないでしょうか。

表現としては問題ないかと存じます。ただし、こちらにも優先順位の考え方を持っておきたいところです。重要案件の中でもそれぞれ優先順位を設定されてらっしゃるかと存じますので、その順序に応じて、時間を設定しておきたいです。例えば、「着任日の朝一、8:30-8:45で報告を受けます。」のように時間を区切ることも方法の一つと言えます。

「本来の管理者のするべき仕事は重要度高×緊急度低の仕事」との事ですが、課長職向けの試験でも「重要度高×緊急度高」(A領域)を優先すべきでしょうか。

管理者が本来すべき業務はB領域ですが、A領域に業務が発生した場合はそちらを優先すべきと考えます。

「優先順位設定」について、B領域の重要性は理解しましたが、優先順位はA領域の左上から選ぶという事に矛盾を感じております。「Bは重要だが、既に発生したAはやらざるを得ない」という事なのでしょうか

おっしゃる通りの考え方でよろしいかと思います。

「優先順位設定」P59で「一週間ぶりに出勤した際の仕事が、あなたのA領域で、本来しなければならない優先順位の高い仕事」とありますが、本来しなければならないのはB領域ではないでしょうか。

このケースでは、一週間休んだことによって、B領域の案件がA領域に移行したと考えていただければよろしいかと思います。 この場合「一週間ぶりに出勤した際の仕事」ということは、「あなた」が不在の間処理が滞ったため、部署や組織に何らかの不具合が生じ、至急対応する必要のある案件、すなわち企業にとって優先度が最も高いA領域の案件であると考えられます。

『優先順位設定』では、「優先順位の高い案件とそうでない案件に分け、その後、優先的に処理すべきグループ案件から処理順番を決めて行く。」とありますが、いつ、優先度と重要度のマトリックスを使うのですか。グループ分けしてからマトリックスを使うのか、マトリックスで配置してからグループ分けをするのか解りません。

案件をマトリックスに落とし込んだ後、グループ分けなさることをお勧めいたします。

優先順位について、例えば20案件あった場合、20案件読んだ後優先グループとそうでないグループのグループ分けするのですか?それとも、読む事と同時進行でグループ分けをしていった方がいいのでしょうか?

まずは、各案件の趣旨を把握するため、全案件にざっと目を通されたあと 案件同士の優先度を比較しつつ、グループ分けなさることをおすすめいたします。
詳しくは、弊社「優先順位設定」p.55以降に解説されております。

着任後の会議や面談の設定を行う場合、日にちだけでなく、午前・午後または具体的な時間の設定まで指示したほうが良いのでしょうか。

指示に関しては具体性を求められますが、それはスケジュール管理に関しても言えることです。 すべての案件について、関連する事項をカレンダーに書き出してみるという方法もあります。問題集Aなどにもスケジュールシートが付いておりますが、そちらに着任後の会議やアポイント予定を書き込んで整理し、指示として発信してみてはいかがでしょうか。 ただし着任日当日に関しては、不在期間中の案件処理や業務引き継ぎなどを考慮し自分が不在となるような予定を組まないようにすることもポイントとなります。

自分が課長で他部署の課長に依頼をする場合、レポートラインでは「自分⇒部長⇒他部署の部長⇒他部署の課長」ですが、「誰に何を指示する」という問いに対しては、「自分の部長に、他部署の部長へ依頼してもらう」となるのでしょうか。実務では案件の内容によっては上長を通さない事もあると思いますが、インバスケットではタブーでしょうか。

おっしゃる通りで問題ないかと存じます。 他部署の課長に上長を通して依頼する、レポートラインを通して他部署の課長に依頼する 等、同じ行動をほかの言い回しで表現することも可能です。
レポートラインを認識して行動することが重要な評価ポイントである案件の場合には、レポートラインを認識しない回答では評価されることが難しくなりますし、例えその案件の評価ポイントがほかにある場合でも、レポートラインを認識している旨の表現があるために評価が下がるということは考えにくいかと存じます。
また、弊社インバスケットでは、案件の緊急度の高さなどから、どうしても上長を通さずに行動することが望ましいと考えられる場合があるとすれば、「一刻を争うため」や、「緊急性を鑑みて」等、レポートラインを無視した行動を行う理由や、判断のプロセスを回答に添えることで、評価につながるかと思われます。

インバスケット的な考えを習得する(=試験で高得点を得る)ためには問題実施後の復習はどのように進めるのが望ましいのでしょうか。「繰り返しトレーニングしましょう」と書かれていますが、ただ繰り返しトレーニングしてもスコアリングシートの暗記になってしまう気がします。 問題のやり方として、評価項目(判断・決定能力、対人能力など)を暗記しておいて、案件毎に評価項目に対して最適と思われる行動を記入する、という方法で良いのでしょうか。

スコアリングシートの項目は、回答として入っていれば評価される項目を列挙したものとなりますが、あらゆる回答のパターンを想定し、お客様に回答の「多様性」を知っていただく目的も兼ねております。 スコアリングシートの項目を暗記し、案件ごとに適切と思われる回答を組み合わせ、書いていただくという方法でも良いかと思われますが、その場合、他の問題に臨む応用力が養えません。 スコアリングシートの項目は、あくまで「考え方の方向性」として捉えていただき、繰り返し解いていただく中で、案件同士の関連を掴んだ回答を、あるいは将来のリスクを捉えた対策や意思決定をなど、1度目ではあまりスコアが伸びなかった能力や、もっと伸ばしたい部分を意識してトレーニングを行っていただくことで、回答を見比べられた時にそれぞれ違った回答がされているのではないかと思われます。 そのような回答の伸びを発見していただきたくために、繰り返し解いていただくことをお勧めしております。また単純に、「書く力」を鍛えるという目的もございます。試験本番では、練習とは異なる環境や緊張感の中に置かれることが予想されます。そこで練習通りの回答量を出すためには、トレーニングの段階でご自分に合った回答の書き方や、回答のスピード、案件に臨む考え方を鍛えていただくことをお勧めしております。

インバスケット・ドリル「6.問題発見力をつける」のP19に書かれている「目的と手段」に関して、解説で書かれている手段は目標のことではないのでしょうか。

P16-17の例題において「目標」という言葉が使われていたためまぎらわしくなってしまったかと存じますが、『本質的な問題』を考えるためのカテゴライズには「目標」というものは用いません。あくまでも「目的」と「手段」での区分けとなります。
例題においては、達成しようとしている「目的」に対し、その「目的」を実現するための方法を「手段」と定義しています。そのため、「目的」が「コピー用紙3割削減」で、「手段」が「コピー機の利用時間制限」となると、解説にある通り、結果的にコストが上昇する危険性があります。「コピー用紙3割削減」を実際にどう行っていくかというのはP49からの「分析力」や、P54からの「対策立案」で見ていく部分となります。ここでは、目的を「経費削減」、手段を「コピー用紙3割削減」としています。
本来「手段」であるべきものが「目標」となることによって達成したい方向とは全く異なる結果になり得るということへの理解が重要なポイントとなります。

インバスケット・ドリル37、38ページについてですが、5名の部下のうち、江坂さん、吉田さん以外の目標計画をどのように修正するのですか。また、何故2人は修正する必要が無いのですか。

この問題では、全体の流れ、つまり会社の方針に基づいて部下の方向性を修正する必要があります。 「会社の方針」とは、問題文後半から「市場シェアの拡大とライバル社からトップの座を奪還すること」であることがうかがえます。 このことから、他社から顧客を奪う方向性が必要であると考えられますが、江坂さんと吉田さん以外の方は、現在持っている顧客をターゲットとしているので方向性を指導をする必要があると考えます。

インバスケット・ドリルの「案件処理のフレームワークを身につける」91ページ、安中商会の問題に関して、判断では方向性を決める、結論を出すという認識がありますが、この案件の判断は、了解・拒否・条件付き承認・条件付き拒否・保留・延期・一任・無視のどれに該当しますか。 

どの判断にも該当しません。当案件は判断を迫られている案件ではなく、具体的な行動指示を 求められてる案件です。したがって具体的な対応指示を出すという意思決定が求められます。

案件処理の基本フレームワークの中に「報告・連絡・相談」がありますが、「報告」とは直近の対応策に関する途中経過報告、という認識でよいのでしょうか。報告を直近(目先)の対策と恒久対策の2回に分ける必要性は何ですか。

報告とは、現在起きている事実の報告とそれに対しての直近の対応策の報告を指します。 実際のインバスケット問題では、限られた時間で案件処理を行うことになりますので、恒久対策をこの場で決定しにくい状況と思われますので、 まずは速報としての報告が適していると考えられます。

マークシート式でしたら殆どが最適解を選択できますが、記述式ですと行動指示、代替案がすぐ思いつかず書き出すことが出来ません。何かコツはございませんでしょうか。記述問題を何度も復習することが近道でしょうか。

仰る通り、繰り返し練習されることが一番の方法かと存じます。
特に問題集ABCは、基本的な問題集となっておりますので、こちらを何度も繰り返していただき、抜け漏れをチェックしてみてください。 また、問題集Fの回答例や、強化すべきポイントが明確な場合は、インバスケット・ドリルをご活用ください。

「スコアリングシートの活用方法」ページに「評価される項目(白地に黒文字のマス)」「黒字に白抜き文字」とはどこを指すのでしょうか。

評価される項目(白地に黒文字のマス)とは、スコアリングシート表組内、上部7つの評価項目と左端案件名の各交点に記載の回答例となります。
一部の問題集につきましては、管理者としてふさわしくない判断や行動(黒地に白抜き文字)の回答例(評価されにくい回答例)の記載がございません。 問題集作成時に「スコアリングシートの活用方法」のシートは、各問題集共用とさせていただいており、他の問題集には評価されにくい回答例を記載しているものも数点ございますため、該当のない問題集にも全問題集を網羅した文面の「スコアリングシートの活用方法」が使用されております。

問題集を解いてみましたが、なかなか全件を回答することが時間的に難しいです。全件回答と優先順位の高い案件への注力、どちらを優先すれば良いですか。

インバスケットの試験は、時間内に全問解答できるようには作られていないものがほとんどです。 従って、まずは全ての案件に目を通していただきまして優先順位を明確に定めてから各案件に挑んでいただくことをお勧めいたします。 また、優先度の低い案件に比べて、優先度の高い案件についてはより高い精度での回答が求められます。 優先度の高い案件について十分な処理を行った後に、その他の案件に取りかかられてはいかがでしょうか。 また、繰り返しトレーニングされることで回答のスピードも上がってまいりますので、その他の案件に目を向ける時間も出てくるかと存じます。

当社の試験では、「予定、心づもり等があれば、覚書メモを書いておく。」という前提があるようです。このような場合、誰に指示をだすものではないものでも、自分で調べておきたい事項があれば回答に記載することが望ましいでしょうか。やはり誰かに依頼するのが望ましいでしょうか。

御社の試験形式については言及いたしかねますが、弊社の基準では「思っているだけ」の回答については評価から外しております。 例えば、着任後に自分が確認して判断すべき問題についてですが、着任後に速やかな判断を下せるためには着任するまでに部下を活用して情報収集することが必要となります。 ご自身が判断するために必要な情報を収集しておくという形での指示を検討されてはいかがでしょうか。

問題を解くと、判断能力の項目にはほとんどチェックが付きますが、問題意識・情報収集になかなか及びません。判断、問題意識、リスクとバランスよく答えるコツはありますか?

案件を考える上での一連の流れとして、
① 何が問題になっているかを確認する
② 仮説を立てる(原因の究明や、リスクの洗い出し)
③ ②を補強するための情報収集
④ ①の問題点に対する具体的行動(指示出し)
おおまかに、このような形で説明できます。①~③について、ご自身の処理を振り返ってみて十分にできているかをチェックしてみてください。