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インバスケット体験記(1)

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以下のコンテンツは当サイトスタッフの実体験をもとにしたものです。従って、すべてのケースに当てはまるものではありませんので、あくまで参考程度にしてください。また、一部内容に加筆している箇所があります。

(コラム1)初めてのインバスケット試験

私が初めてインバスケット試験を受けたのは会社の管理職昇格試験である。
管理職昇格試験が受験できる資格を頂き、一次試験はペーパーテストと適性検査。
そして2次試験にインバスケット・個人面談などの試験があった。
一次試験で落ちると思っていたので、2次試験の案内が来た時には驚いた。

初めて一次試験を受けた私は試験終了後に自宅でテキストに来年の対策を書き込んだ。
来年の試験勉強対策の為である。
とりあえず、今年の試験はこれで終わったと思い、変に安堵感が漂ってた。

ところが二次試験の案内が来た。
正直驚いたと同時にかなり焦った。
まさか合格するとは思ってなかったので対策も考えてなく、
あまりにも二次試験まで時間が少なすぎたのである。
通知を受けて、試験実施まで2週間しかない。
試験項目の中のウエイトの多くを占めるインバスケット試験。
それまでインバスケットなど聞いたことはあるが、実際に受けるとなると全く情報が無い。
社内では管理職昇格試験を受験することすら、私の年齢では若すぎるという声がちらほら聞こえていたので、一次試験合格は周りには内密にしていた。

そこで独自にインバスケットの情報を集めることにした。
だが、インバスケットに対する情報の少なさに愕然とした。
ヤフーなどの検索サイトで調べても、役に立つ情報は少ない。
インバスケットで検索しても何故かバスケットボールの情報が多く出てくるのは、
自分でも苦笑いした。

キーボード

そこで信頼できる上司・知人に依頼し、購入できる書籍は値段に関わらず購入した。
その時点では少し高い出費と感じたのは事実だが、管理職になることで年収は上がり、
そのくらいの費用に見合うリターンは十分ある。
「自分に対する投資」である。

上司からインバスケット試験の恐ろしいのは、本当の自分の能力が見れるとともに、
インバスケット風の判断アクションをしないと、
実際の職場での最適な判断なのに評価されないことである、と聞かされた。

その意味が分かってきたのは演習問題を数多くこなした後である。

そうして私の周りに数多くの書籍や過去の試験問題などが集まってきたのは、試験直前1週間前である。私のとったトレーニング法は「数をこなす」である。
ひたすら問題集を実際に時間を計測しながら解決法を記入していく。

案件を多くこなすトレーニング方法に「ただ数だけでは駄目だ!」と進言する先輩もいた。

でも今まで管理職の経験も無く、このような案件に遭遇することも日々の業務ではそう無かったので、インバスケット手法を取得するほうが重要であると判断した結果だった。

当然案件を読むだけでは意味が無い。
自分なりの判断やアクションを書き、模範解答や書籍、時には上司に助言を求めた。
その時、感じたのが、同じ案件でも人や書籍によって最適解が異なることだった。
つまり、案件処理に正解は存在しないということだ。

結局、インバスケットは案件の最適解を当てる試験ではなく、最適解までにたどり着くプロセスをスコアリングする評価方法であることが大きいと理解した。

そして、当時の我が家は子供が小さく、必死で試験勉強していても、子供が邪魔をして、思うようにはかどらず、近くの図書館に行くが自習するスペースが少なく、結局試験勉強の大半を、自分の愛車の中で毛布に包まりながらインバスケット・ゲームを勉強したのを今でも鮮明に思い出す。

90分間、インバスケットの問題を必死で解き、気が付くと、車が雪で覆われていた。
それだけ頭をフル回転して判断すると無心になることもあり、試験問題を終了すると頭から煙が出るようなオーバーヒート状態であった。

かなりの数、問題集をこなした結果、自分の判断傾向も分かった。
どうやらHS(ヒューマンスキル)が少ないようだ。
特に心配りの面が足りないと認識した。
実際の業務では、複数の上司から心配りや部下の育成などの評価は高かったので、これが自分の能力の評価かと疑ったが、やはり、試験の中では「そのぐらい自分で判断しろよ!」といった余計な感情や、試験の中に出てくる仕事の出来ない部下を、
実際に手を焼いている部下と重ねてしまったりと、その余計な思考が評価を下げてしまったと判断した。

たとえば非常に忙しい時期に突然の有給届けを提出する部下の案件。
社内規定で提出時期は過ぎているのだが、理由が子供の結婚式であった。
前の上司には口頭で伝えてあったらしいが、彼がいないと業務上に支障が出る可能性がある。
このような案件での私の判断は承認だった。
提出期限を過ぎているが、以前に上司に報告していること、実子の結婚式という特殊理由であることを踏まえ、業務上の引継ぎと業務上に支障が出ないように努力すること、有給休暇届けの提出が遅れたことに対する顛末書と再発防止策の報告指示を彼に伝えた。
そして業務面では、彼の欠員分を埋めるべく、上司に相談の上、他部署からの応援依頼と自部署での人員配置のやりくりなど、考えられる判断・行動は取れたと自負をした。
でもどこか心の中で「どうしてこんな時期に有給休暇を取るのだ。」
という感情があったのだろう。
彼と彼のお子さんへの祝福のメッセージ。祝電の手配指示。
会社のお祝い金や組合などのサポート体制の確認など、ヒューマンスキルに関する指示・アクションは一切無かったのだ。

自分の弱みが分かったことで、試験当日までには克服し、己の弱い部分を強くすることが出来たと思う。
試験の前日は問題の数をこなしたこともあり、非常に自信が付いた。
実際にこなしたインバスケット問題集の数は5冊。
それらを3回繰り返した。
夜中までトレーニングしたこともあったが、朝4時くらいに起きてトレーニングしたほうが効率が良かった。
早起きした日はトレーニングの副産物か仕事の効率が非常に良かった。

そして試験当日、あまり緊張することなく、まずは面接。
一人約5分くらいだろうか。
誰とも知らない人間に型通りの質問をされ、みな機械のように同じように答える。
こんなことで何が分かるのだろう。
そう思ったが、私も型通りの答えをする。

そしてインバスケット試験。
会場には妙に緊張感が漂う。
50人くらいの受験者が受けている。
2次試験受験者は全員で100名くらいか。
合格者は20名。実際人数を見て狭き門を感じる。

パソコン

そして試験が始まる。
案件数は27問。予想より多い。
しかも資料が多い。
主人公がどうしてこの役職に就いたのか、長々と書かれている。
読まずにパス。早速、時間配分決めて開始する。
13案件過ぎた付近でかなり遅れているのに気が付く。
どうやら全案件、問題文が長いようだ。
斜め読みで案件をつかんで判断していく。

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なかなか凝った問題構成で、かなりストーリー性があり面白い。
でも、やはり難題が最後のほうに出てきた。たしか23番と25番案件。
少し時間をロス。しかも関連案件で前の方で判断したアクションを消して判断を変える。
25案件がおわり残り5分の合図がなる。
最後の2案件はひたすらアクションを書くが、手が疲れ過ぎて頭で思ったことがなかなか字に書けない。
ようやく書き終えたところで終了の合図。
用紙を見ると、ほぼ空白は無いほどアクションが書けた。
でも見直すはずの時間をロスしてしまったのは予想外だった。

しっかり時間配分したはずだが何故こうなったのか?
一つのミスは時計である。
私は日ごろ腕時計をしない。
そのため試験も携帯電話の時計を見ながら試験に臨んだのだが、机の上に携帯は置けないと言われ、時間を見るためにポケットから出す、この時間がロスだった。

だが、試験が終わり同じ試験を受けた同僚と話すと、ほとんどの人がすべて記入できなかったらしい。
23から25案件で終わった人が多いらしい。
その後試験結果が出たのだが、残念ながら私のまわりの同僚たちの中に合格者はいなかった。(差し込みの画像はイメージです)

インバスケット試験が終わり、約一ヶ月後。突然職場がざわざわしてきた。
どうやら合格者が決まったらしい。
周りから「どうだった?」と電話が掛かってくる。
正式な発表はまだ無いのだが、
上層部は結果を知らされているらしく一部で情報が漏れているらしい。
噂が飛び交う。
「○○はほぼ確実らしい」
「△△は本命だったが、今回はダメだったらしい」
「うちの支社は全滅らしい」
私が受験したのを知らない同僚が、私にそういう噂を話してきた。

そして上司とたまたま一緒の部屋になった。
隣で上司が電話をしている。
上司の部下で受験したのは二人。私と私の先輩だ。
「そうか・・・・」暗い表情の上司。
電話を切る。
そして個室に呼ばれる。
その時私の頭の中によぎったのは 「下から数えて何番目だったのだろうか?」
「来年の為にどこが悪かったのかちゃんと聞こう」
でもかすかに「合格」と言われないかと少し期待したが「身の程知らず」と打ち消した。

高層ビル

「失礼します」
ドアを向いてドアを閉め終わった瞬間。
上司を見るとニューと手が伸びてきた。

「おめでとう」

とっさのことで「ありがとうございます」がすぐに出なかった。
その時点では正式発表はまだ無く、人事からの情報とのことだった。
だからまだオフレコにするようにとのこと。
でもこの瞬間から社内では管理職と見られるようだ。
私が言わなくても情報は駆け巡るらしい。

管理職になったことで一瞬にして世界が変わった。
たとえば今までまともに話してくれなった部長クラスや、
その上のクラスの人間が話しかけてくる。
まるで新しい会員になったように迎えてくれる。
今まで先輩だった方や、他部署の人間からも対応が変わった。
元上司までからかってくる。

何より部下からの目が全く違う。
誇りに思ってくれてるような態度(実際はそうでも無いかも知れないが)が
私をさらに引き締めた。
ライバルからは賞賛の言葉など無かったが、
今まで攻撃的だった人間も、非常に言葉を選んで話しかけてくる。

もちろん良いことばかりではない。
上位職の人間と話す機会が増えるということで私は知識不足を痛感した。
あまりにも情報武装が出来ていない。
そして、いろんな本をがむしゃらに読んだ。
人を教育する機会も増え、一昔前に管理職試験に合格すれば、
もう試験が無いので勉強しなくて良い、などと考えていた自分がおろかに見えた。
ただ、この勉強は試験の為ではなく、自分の為の勉強である。
そう、インバスケットも試験ではなく、実際の業務になってしまったのである。

それと、会議などの発言も慎重になった。
「○○さんがこう言った」という情報が飛び交うのである。
以前なら「ふーん。」ですんだのが「本当に○○がそんなこといったのか」になってしまう。
それが議論になっていたりしたときは、
すぐには誰の発言がそんなに議論になっているとは気が付かなかった。

そしてはじめての給料日。
私の会社は完全年俸性。
何歳だろうが役職が一緒なら金額は同じで、業績連動で賞与が異なる。
年俸制はあまり明らかにされなかったベールの世界だったが、
初めて振込みがあった時は驚いた。明らかに振込み金額は驚くほど大幅に上がっていた。
今までなら生活費など差し引いてもギリギリの生活だったのは間違いなく、
貯蓄など出来る状態ではなかったが、今までと同じ生活をしていても、繰越残高が増えていく。

管理職は激務である。 何故そこまで大変な仕事を文句も言わず続けるのだろう、
と感じていた頃もあった。
会社に対する忠誠心、自分の目標に対する上昇心や仕事を楽しむなどもあるが、
責任が重い代わりに報酬も高いのだ。

組合員からも外れて、自分が会社側になっていることもそろそろ実感してきた。
管理職だからと言って、休みが無いわけでもない。
確かに勤務時間は長いかもしれないが、私の場合は一般職とさほど変わらない。

働く時間が変わらないのなら収入は高いほうが良い。
そして仕事内容も、テクニカル面からより判断業務が多くなる。
これは私にとって好ましい業務内容であるので管理職昇格試験に合格したことは、人生を変えたというのも言い過ぎではない。
しかも自分の発言力が強いので、流れを変えることが出来る。

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